昨年の5月に父親が亡くなった話は書いたと思いますが、
相続した実家の庭や畑からゴミが大量に出てきていて、掘れば掘るだけいろいろなものが出てきます。父親は木の枝でも鉄くずでも埋めれば消えると思っていたようです。
そうとしか考えられませんが、
覚えておいてください。木の枝を土に埋めても5年や10年ならそのままの形で埋まってます。
掘ったらそのまま出てくる。
嫁がいろんなところをほじくり返してキレているところですが、ゴミも相続したので仕方が無いのか。
相続財産の中に「保安林」をみつけまして、スマホのGPS機能を頼りに現地まで行ってみました。

私が中学2年生の頃、祖父が亡くなって、一段落ついた頃に父親と一緒に近くまで来たことがありますが、当時はGPSなどありませんでしたのでどこにあるのかよく分からなかった。登記簿で確認すると昭和62年のことです。
ということで父親はどこに相続した土地があるのか分からずに亡くなったことになります。私は昭和62年以降の文明の発達のお陰で場所を探し出すことができた。
GPSが言う通りに山の中を歩いていくと、登山道からだいぶ外れて藪を漕いで崖を登ったところにありました。学生時代はワンダーフォーゲル部でブイブイ言わせていたこの私が4回滑って落ちた。
3回目で断念しようかと思いましたが、父親も見ることができなかった「ワイの土地」や。1回は見ておくべきと思いましたので。
えー動画では「西側」と言っていますが、一番広いのは「東側」です。4回滑って落ちた後に現地を見て半分キレながら撮りましたのでご容赦願いますが、
左の尾根から右の尾根の間。この谷を登っていく方向になります。
で、「保安林」というのがこういう土地で、
- 立木の伐採:都道府県知事の許可が必要です。
- 土地の形質の変更:都道府県知事の許可が必要です。
- 伐採跡地へは指定施業要件に従って植栽をしなければなりません。
この動画で見える範囲すべて、掘ってもダメで、伐ってもダメみたいです。木1本勝手に伐れない。
「ほっとく」しか無いようですので父親がそうしたように私もそうしますが、
去年の4月から「相続登記」が義務化されています。
法務局のサイトに行くとメチャクチャ詳しいマニュアルが置いてありますので、
自宅のパソコンからマイナンバーカードを使って自分で登記してみました。
不動産の所有者が亡くなった(相続の登記をオンライン申請したい方)(法務局)
マイナンバーカードってメチャクチャ便利です。このカードで医者にもかかれますし、印鑑証明も住民票(市町村役場)も取れますし、アマチュア無線の免許申請(総務省)もドローンの登録(国土交通省)もできますし、不動産登記(法務省)もできる。納税(国税庁)もできるはずです。
ただ、「保安林」って固定資産税が非課税なので登録免許税がいくらか分からないのです。
いろいろ調べると「登記官が認定した額」となっていて、
更に調べると「法務局に電話して訊け」と出てきました。
法務局に行ったらこれをいただきまして、

11円/平方メートル
坪36.3円です。
坪「36万円」ではなく「36円」です。
相続した土地は全部で5000平方メートルありますので、この動画を撮った位置が東端とすると奥に向かって小学校の運動場ぐらいの広さはあるのだと思いますが、
全部で「5万円」です。
結局のところは「租税特別措置法第84条の2の3第2項により非課税」なのですが、本当に評価額が100万円以下なのか証明しなければならない。
いや本当に、この土地35万円で引きとって貰おうかと思っていましたが、
というか国に引き取ってもらう仕組みができたようですが、ぶっちゃけこの山5000平方メートルの「筆界」を特定するのは事実上不可能です。
相続した土地を手放したいときの「相続土地国庫帰属制度」(政府広報オンライン)
この私が4回滑って落ちた土地まで土地家屋調査士さんに来てもらって測量してもらって、周りの土地の地主さんにも来て貰って筆界を確認して貰ったら何ぼかかるか知りませんが、
「5万円」ならほっとけもう面倒くさいです。
もともと掘るだけでも県知事の許可が要る土地で、崩れて他の土地に迷惑がかかっても周りの土地もどうせ「5万円」ですので。というかそもそも許可が無いと「弄れない土地」ですし。
昭和62年の「前の相続」のときの資料を漁るとこの土地の電算化前の登記簿が出てきまして、最初の頃は明治時代で筆で書いてあるのでよく読めないのですが、
曽祖父(ひいじいちゃん)の時代に、曾祖母(ひいばあちゃん)の実家から回ってきたようです。
それ以来30年おきぐらいに相続→相続→相続を経て曽祖父→祖父→父→私のところに来たようですが、
じっと眺めていて気が付きましたが、登記簿に載っているこの日付はすべて各人の「命日」ですわ。
私も cinquante et un 歳になりまして、流石に折り返し地点は過ぎたのだと思っていますが、
私で7人目ですが、登記簿に名前が載ったということは私の命日もいずれ載るのだと思います。
今年はそんな誕生日でございます。