恥骨の骨折

はい、恥骨の骨折です。
立っていられないし、歩けないため来院されました。

特にどこかにぶつけたとか言うわけではないのですが、1ヶ月前にヨガをしていて
大腿の内側と股関節周りに痛みが出てきて、よくならないので整形外科を受診したところ
レントゲンで恥骨が折れていると診断されたそうです。

恥骨はここにあります。

骨盤の一部なんですが、骨盤は画像正面後ろの仙骨と、左右1対の寛骨からできています。
寛骨は1つの骨なんですが、腸骨・坐骨・恥骨と3つのパーツに別れています。

恥骨は2つの寛骨が、前側で向かいあわせになっている部分です。

拝見すると脚がものすごく硬いんです。
脚の筋肉が恥骨をぐいぐいと下に引っ張っているようです。

そして恥骨が下に曲がっています。

ご覧の通り、恥骨より大腿骨の方がはるかに太いのです。
そして、恥骨には筋肉がピンポイントで付いているのに対して、
大腿骨には面でついています。

恥骨と大腿骨が筋肉を介して綱引きをすると、恥骨が負けます。
そして曲がったようです。

割り箸でも、鉄の棒でも、骨でもですが、
横から変な力がかかるとまず曲がるんです。
そして限界を超えると破断する。

折れている恥骨そのものには痛みはないようで、
綱引きをしているいろんな所が痛むようですので、
数回かけて脚と腰まわりを念入りに緩めるように調整すると、
だいぶ楽に歩けるようになってきたそうです。

骨折自体に転位はないようですので、
綱引きがゆるめば折れている恥骨は自然にくっついて行くと思います。