背中が曲がった人

sekitsui
カラー人体解剖学 西村書店 から引用して作成

レントゲン写真を見た訳ではないので実際に骨がどうなっているのかは解りませんが、
背中の肩甲骨の下辺りから体が前に曲がっておられます。
どの方も80歳代の女性ですが、ここのところ立て続けに何人かいらっしゃいました。

この曲がりようはどうにもならないだろうから、肋骨のちょうどアンダーバストの
下の辺り、ここが寝ても覚めても痛くて痛くて敵わないのでこの痛みを何とかして
欲しい、ということです。

キューっと息も出来ないぐらい痛みます。
いろんなところに3年通いますが、改善しません。2日に一度の痛み止めの注射と
毎日朝晩の座薬でしのいでおられます。

拝見するとどの方も服の上からでも見た目ではっきり解るぐらいに
骨盤が歪んでおられます。

腸骨が横にほとんどと言ってよいぐらい扁平になっています。
昔の不良が穿いていたボンタン。腰の部分だけそのようになっています。

bontan
手をポケットに入れてなくてもこうなっています。

背中がこれだけ曲がっていれば、当然肋骨も曲がっているはずです。
横向きになってもらって触診すると、肋骨の下の方の部分がこの広がった腸骨の
内側に入り込んでいます。

この腸骨の変形を少しずつ調整していきます。

腸骨を触り始めると、背中のちょうど一番膨らんでいるところが痛み始めます。
背中と腰を交互に調整していきます。

腸骨がこれだけ広がった原因は、足が腸骨を引っぱっていたからでした。
足と腸骨が引っ張り合いをすると腸骨が負けます。

kinniku hipparu

腸骨が足の筋肉に負けてしまって長い時間をかけて
少しずつ曲がって行ったようです。

そしてその曲がった腸骨が肋骨を引っぱり、肋骨が負けてしまって
背中が曲がってそこが痛むという。

足の筋肉がきつくなった原因は、足の骨の変形です。
足を調整しながら骨盤を丁寧に調整していくと、肋骨の痛みも随分減ってきました。

最初は仰向けになるためには枕の下に毛布を2枚入れて50cmぐらいの高さに
していましたが、回数を重ねるごとに枕の上に畳んだタオル1枚であお向けになれるように
なりました。

普通の生活に戻れる日もそう遠くないと思います。
ヒトの体って難しいのか簡単なのか、実に不思議です。

背中が曲がった人」への3件のフィードバック

  1. はい、こに先生のおっしゃるとおりだと思います。私もときに、ヒトの体って単純?なんて思うこと、あります。けど、その原理がわからないと、やはりそれは難しいということになります。私たちは幸せなことに、足のゆがみが原因だと教えていただいているので、それがときにかんたんなことに思えるのでしょうね。けど、やはりヒトの体も、そしてこのトントン治療も、奥が深いです!

  2. この人大分改善しましたね。
    何よりも1回1回調整にこられるたびに元気になって、明るくなっていかれることです。
    幸せになってもらえたらいいですね。

  3. >TOY-mama様

    いやー奥が深いです。
    まず、骨が外力や自家筋力で「曲がる」という概念が中々ない。
    力をかけるとヒトの骨よりはるかに硬くて太い松の木でも曲がっていくのですが、
    不思議なことであります。

    そしてそれを調整する「手技」これがまた一朝一夕には身につかない。
    いやー奥が深いです。

    >トントン様

    回数を重ねるごとにこれからしたいことなども話をされるようになりましたね。
    来院される回数もだいぶ減ってきたでしょうか。

    痛みから解放されると皆さん明るくなって行かれますね。

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